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何故逃げなかったのかという暴力。

April 27, 2016

 少し前の話だけど、埼玉の少女監禁事件で、「何故逃げなかったのか」と発言するあほんだらが散見されたわけですが、自分の校内暴力事件と重なる部分があるので、言及しておく(本当はもっと早く、この記事書きたかったんですが、当時はまだ漫画を公開する前だったので、このタイミングとなりました)。

 

 自分が暴力事件に巻き込まれた時、知人や友人から発せられた心無い言葉を列挙すると、

 

 「何で殴り返さなかったの?」

 「中学生に殴られるなんて情けない。」

 「お前の指導が悪かったんだろ。」

 「舐められてる証拠。」

 「大した怪我でもないのにクヨクヨすんな。」etc…

 

 もうね、いやホント、人間というのものは、こんなにも人の気持ちがわからないのかって、嫌というほど突き付けられました。これ、1人や2人じゃないですからね。10人に話したら、5〜6人はこういうこと言ってくるわけですよ。完全なる想像力の欠如。

 

 説明するのもうんざりするんだけど、例えば、一発顔面殴られて、びっくりしている瞬間に髪の毛掴まれて、どうやって反撃するんでしょう?そこから羽交い締めに合うわけです。どうやって反撃するんでしょう?格闘技経験者なら何とかなるんでしょうか?仮に、反撃のチャンスがあったとして、生徒に手を出すと、懲戒処分になりかねません。マスコミは面白おかしく、教師を悪者に仕立て上げるでしょう。少なくとも僕は、子供の頃からの夢を棒にふる覚悟は、その一瞬では出来ませんでした。

 

 で、嫌という程思い知ったのは、世間では中学生に殴られるというのは、情けないことらしいということ。それが例え5対1であったとしても。

 

 校内で事件が起こると、現場を見てもない人間から、指導力のなさを指摘されます。生徒に舐められてることを指摘する人もいましたが、22歳の初任者が、ヤンキー学校に赴任して、舐められないなんて事の方が、稀ではないでしょうか。

 

 そういうタイプの先輩教師達は、散々人の指導力を批判しておきながら、どうすれば改善できるのかを言いません。アドバイスなき批判は暴力だと知りました。

 

 そして、散々人を攻撃した後、出てくる言葉が「クヨクヨするな」。クヨクヨさせてんのはお前だろうと。

 

 

 これらの言葉と同様、監禁事件の被害者に「何故逃げなかったのか」を問うことは、車にひかれた人に「何故よけなかったの?」「俺だったらジャンプしてよけてたね」って言うのと同じぐらい暴力的で、頭の悪い言葉だと思います。

 

 

 

 

 でも、まぁそういう人たちって、辛い経験してないんだろうなぁ。

 

 

 

 

 暴力事件に巻き込まれた時、事件そのものより、周囲からの心無い言葉が、僕を追い込みました。そして問題なのは、彼らには加害者意識がまるでないということです。

 

 

 

 

 

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元教師が描く、教育現場のリアル!!

『静寂の音』Galleryにて公開中です。

 

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